秋田未来創生会議

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2015-05-16
なかむらふとし先生寄稿文


2015-05-08
犬の社会性のお話。


最新情報

【最終更新日:2015-05-08】

犬の社会性のお話。

犬の社会性の話。犬の場合、社会性というのはいろいろな物に「慣れていく」という事が最大のテーマになります。慣れた物が多ければ多いほど、犬は小さな事には動じなくなり、結果的に扱いやすい問題の少ない犬になっていきます。
もともとの性格で、どんな事にも動じないという犬もいるのですが、本質的には犬も動物ですので、人が積極的に慣らす努力をしていかないと、慣れないまま大人(成犬)になってしまいます。成犬になった犬は「慣れる」という作業に大きな労力がかかってきます。
もちろん、犬は自分自身で慣れようとは思ってはくれませんので、慣らすという作業はすべて飼い主さんの労力になってしまいます。
犬は慣れない物には逃避行動や攻撃的な態度、ストレスなどを感じます。例えば、物音に慣れていない犬であれば、物音に対して吠えたり異常に興奮したりしてしまいます。他人に慣れていない犬であれば、他人が近づいてきたら逃げようとするかもしれません。逃げるだけならまだ良いのですが、吠えかかったり、噛み付こうとしたりする犬も出てきてしまいます。
残念ながら、この「慣らす」という事が大切だと思って、子犬を迎える飼い主さんが少ないです。また子犬の時期は好奇心が強いので、割と慣れない事にも動じない子も多いのです。こういう子犬の姿をみていると、飼い主さんはこの好奇心がいずれ減少し、問題行動につながってしまうという事を予測できる人はほとんどいないと思います。
ですので、子犬を迎えた飼い主さんには積極的に「慣らす」という事に時間をかけてほしいのです。でも子犬を飼うと獣医さんに、予防接種が完全に終わるまで、外には出さないように言われると思います。確かに免疫がない時期に他の犬と接触したり、病原菌を拾ってしまったりするのはリスクはあるので、飼い主さんが抱っこをしたり、キャリーバッグに入れてみたりしてドンドン外に出ていってあげてください。
予防接種が終わったら、お散歩を必ず1日に2回以上してあげて、また他の犬や人と接する事ができる場を探していってください。ただ、吠えかかってくるような犬や攻撃的な犬に合わせる必要はないので、無理はしなくても大丈夫です。前回もお話しましたが、最近は犬の幼稚園といって、子犬だけを集めて触れ合わせるような施設もありますので、そういった所を利用するのもいいと思います。
ただ幼稚園ですべてを補える訳ではありませんし、そもそも、すべての事柄に慣らす事はできません。ただ、多くの事に慣れている犬や、子犬の頃から他の犬と多く触れ合った経験がある子は、心に免疫が作られていきますので、成犬になってから新しい慣れない事に出会っても、取り乱さないようになる事が多いようです。
私も犬の幼稚園を開催しているのですが、先日、幼稚園へ来ている子を飼い主さんがお祭りに連れていった時に、人の雑踏や太鼓の音、花火の音などに全然怖がらなかったという話をしていました。私の幼稚園ではCDいろいろな音を流しています。お祭りの音や花火の音などはそのCDに収録されていて、慣れていたようなのです。ただ、ヘリコプターの音はちょっと怖がっていたらしいのですが、確かにヘリコプターの音はCDには入っていませんでした(笑)元々、ちょっと臆病な子だったのですが、飼い主さんが社会化を意識してくれていた為に、怖がらずにお祭りを楽しめたようでした。
最近は犬とお出かけをしたいという飼い主さんが増えています。また、犬を連れていけるレジャー施設も本当に多くなりました。社会化ができている子はそういう場へストレスなく連れていく事ができます。ぜひ、社会化をがんばって、わんちゃんとの生活をより豊かなものにしていってほしいと思います。